愛という幻想

2015年04月08日 10:37


「愛」という言葉に捕まった瞬間から、リアリティは消えてなくなる。

それは、永遠に出口の見つからない迷宮への誘い水。

「愛」に囚われ、「愛」に翻弄され、「愛」に裏切られる。

そして、「愛」に救われ、「愛」に励まされ、「愛」に気づかされる。

「愛」とは、一体何なのか。

人は、正体のわからない「愛」という言葉を、Jokerのカードのように

説明のつかない心の切り札として利用する・・・・・・


その、あなたの「愛」という言葉に込めた意味は?

「愛」はエゴであり、「愛」は献身あり、「愛」は欲望であり、

「愛」は共感であり、「愛」は励ましであり、「愛」は教師である・・・・・・

無数に出てくる「愛」の無段階活用。


辞書を引いても、答えはないよ。

そこには、「好意、愛情、性欲、性的魅力への深い愛情、

さらには、「敬意と愛情の混じった、強く前向きな感情」なんて

意味不明の解説しか出てこないんだから。


わたしは、すごく長い間「愛」という言葉に捕まっていました。

「愛」ってなに?「愛」って。

だから過去のわたしの「書いたもの」には、呪文のように「愛」という言葉が

書き連ねてあって、もう、それこそ「愛」という言葉に溺れるような有様でした。


でも、ある日気づいたの。

「愛」という言葉を一切使わずに、その感情と心の意図を別な言葉で

表現してみよう。


そうしたら、「愛」が見えてきた。

「愛」という言葉にごまかされない、真実の心の襞(ひだ)が。

「愛」という言葉は、それらすべての象徴として存在する折りたたまれた文字。

万能であり存在そのものであるという宇宙の真実を表す「暗号」なのだと。


「暗号」は解読しなければ知り得ません。

幻想である<愛>を解読する術は、あなたの心に仕舞い込んだ

複雑で難解なパズルを、根気よくほどいて展開し、

そこに現れた美しい図形をじっと眺めることです。


そこには、幻想ではない、とてもリアルな真実の<愛>が

魂の底から微笑んであなたを抱いてくれるはずです。